Understand 6.3 日本語版をリリースしました

「Understand 6.3」の販売を 2023 年 5 月 31 日より開始しました。

本バージョンアップでは、データフローダイアグラムやVariable Trackerグラフなどの新しいグラフィカルビューが追加されました。また、異なるツール間で静的解析結果を共有するフォーマットである、SARIF(Static Analysis Results Interchange Format)レポートをインポートすることが可能になりました。Gitとの連携では、変更差分をより簡単に特定しやすくなりました。さらに単一のプログラム内で複数タスク、関数から共有されているグローバル変数をグラフやレポートで可視化できるようになりました。

追加・拡張された機能

データフロー図や変数の追跡が可能なVariable Trackerをグラフィカルビューに追加

データの流れと処理の流れを可視化する、データフローダイアグラムが追加されました。データがどのようにグローバル変数および関数に流入し、どのように流出するかをData Flow In/Data Flow Outの2つのグラフで可視化します。また、Variable Trackerでは、変数がどのように使われていくのかを追跡できるので、これまで複数回の操作が必要であった関数をまたがる変数の追跡がしやすくなりました。これにより、可能性があるすべての変数の値を追跡できるため、バグをトレースするのに役立ちます。

Data Flow Out / Variable Tracker
グラフカスタマイズ機能を強化

グラフのエッジ(線)やノード(頂点・節点)のスタイルが変更可能となりました。
また、操作性も向上しました。さらに、メトリクスのカラースケールも追加でき、グラフにオーバーレイさせ、同時に表示できるようになりました。これによりリファクタリング作業の効率化に役立ちます。

グラフカスタマイズ機能
SARIFレポートのインポート機能が追加され、より効率的に影響分析が実施可能に

SARIF(Static Analysis Results Interchange Format)は、異なるツール間で静的解析結果を共有するためのフォーマットです。Understand GUIツール上にドラッグアンドドロップするだけで、インポートできるようになりました。Understand上で静的解析ツールの違反箇所が表示され、その箇所をクリックするだけで、関連したプログラムに対する影響範囲を効率的に把握できるようになりました。

Understand上で静的解析ツールの違反箇所を表示
プロジェクト比較機能を改善。解析結果の差分表示がより簡単に

Gitリビジョンを指定した比較プロジェクトを作成できるようになりました。
また、プロジェクト比較パネルが追加され、より簡単に比較対象プロジェクトの再解析や比較対象プロジェクトの切り替えが可能になりました。比較プロジェクトを作成すると、メトリクスデータの差分がツリーマップで表示されます。また、追加・削除・変更といった処理の流れの差分がUMLシーケンスダイアグラムに色分けして表示されます。これらの改善は、コードレビューを効率的に実施するのに役立ちます。

プロジェクト比較機能
共有変数(割り込み干渉)の可視化グラフ/レポートを追加

単一のプログラム内で複数タスク、関数から共有されているグローバル変数をグラフ/レポートで可視化できるようになりました。割り込みレベルによる排他制御を設定すると、割り込み禁止区間(保護領域)の共有変数へのアクセスは破線で、共有変数の塗りつぶし色は他の変数と異なる色で表現され、複数タスク、関数からアクセスされている共有変数を視覚的に把握できます。意図しない変数への参照/変更の検出は、不具合リスクの軽減につながります。

本機能の追加は、日本の車載企業からのご要望により搭載された機能です。今後もご意見、ご要望をもとに改善に取り組んでまいります。

共有変数の可視化(割り込み干渉)
CUDA、C# 11やWindows 11など、サポート対象を拡充
  • C#:C# 11までの解析をサポート
  • CUDA:C/C++(Strict)解析において、CUDAファイル(.cu, .cuh)の解析をサポート
  • Windows:Windows 11、Windows Server 2022を稼動環境として正式にサポート
  • フローティングライセンスのログ機能の改善

※前バージョン (Understand 6.0 Build 1076) から、バージョンアップ版 (Understand 6.3 Build 1139) の改善点、変更点については、「Understand 6.3 セットアップマニュアル」の「Understand 6.3の新機能・改善点」と「改善点・変更点・修正点」の項をご参照ください。

バージョンアップ版のご提供対象者

2023 年 5 月 31 日において、保守サービスをご契約いただいている Understand ユーザー様、
かつ、ユーザー登録がお済みのユーザー様には、「Understand 6.3 (Build 1139)」バージョンアップ製品を無償でご提供します。

インストールモジュールの入手方法

インストールモジュールやセットアップマニュアル等につきましては、以下のURLのユーザーページからダウンロードできます。

Understand ユーザーサポートページ>>
https://www.techmatrix.co.jp/secure/quality/understand/support/

  • ダウンロードには、納品ドキュメントに記載されている『ユーザー名』と『パスワード』が必要です。
  • バージョンアップの手順は、ユーザーサポートページから「Understand 6.3 セットアップマニュアル」をダウンロードしてください。 また、Understand 6 以降、ライセンスの種類ごとにライセンスセットアップマニュアルを ご用意しています。該当するマニュアルをダウンロードしてください。

ライセンスキーの入手方法と互換性

フローティングライセンス・シングルユーザーライセンス・ノードロックライセンスでバージョンアップの手順・操作が異なります。お持ちのライセンス・利用バージョンをご確認ください。

フローティングライセンス

Understand 6.0以降のバージョンでは、SciTools社が管理するライセンスポータルサイトに、Webブラウザーでアクセスしてご利用いただくようになりました。
詳細は、以下をご参照いただき、指示に従って、対応をお願いします。

Understand 6.0を利用中の場合

SciTools社が管理するライセンスポータルサイト、またはIcarusのWeb管理コンソールにアクセスいただき、お持ちのライセンスに記載されている有効期限日(Maintenance/Expiration)が、Understand 6.3日本語版のBuild Date(2023年5月15日)より後の日付の場合、そのまま利用できます。
ユーザーサポートページより、「Understand 6.3セットアップマニュアル」および、「Understandライセンスセットアップマニュアル(ライセンスポータルフローティングライセンス)」または、「Understandライセンスセットアップマニュアル(Icarusフローティングライセンス)」を入手いただき、「Understand 6.0からUnderstand 6.3にバージョンアップする場合」の項をご確認ください。

Icarusフローティングライセンスの留意事項

Understand 6.3を利用する場合、Icarusライセンスマネージャーも1.2.88へバージョンアップが必須です。

  • すべてのクライアントをUnderstand 6.3へバージョンアップいただく必要があります
    (正式サポート対象外ですが、Windows環境では、Understand 5.1/6.0クライアントからも利用できます。ただし、Linux環境では、Understand 5.1/6.0クライアントからIcarus 1.2.88へ接続はできません。)
  • クライアントのOSがLinuxまたはMacの場合には、クライアントマシンにおいてTLS 1.3プロトコルの有効化が必要です
  • クライアントのOSがWindowsの場合には、TLSプロトコルの設定は不要です

ただし、下記「IcarusとUnderstandの対応バージョン一覧」で示すようにいくつかの制約事項がありますので、一時的にIcarusライセンスマネージャー1.1.34(Understand 6.0用)を利用されたまま、Understand 5.1/6.0クライアントを順次Understand 6.3クライアントへバージョンアップし、完了した時点でIcarus 1.2.88へバージョンアップする方法でご検討ください。

IcarusとUnderstandの対応バージョン一覧

【その他、注意事項】

  • Icarusライセンスマネージャー1.2.88にて、使用しているjQueryのバージョンを3.3.1から3.6.0へ更新しており、以下の脆弱性に対応しています。Icarusライセンスマネージャー1.2.88へのバージョンアップを推奨いたします。
    参考)脆弱性対策情報データベースJVNDB-2020-005056
    jQueryにおけるクロスサイトスクリプティングの脆弱性 https://jvndb.jvn.jp/ja/contents/2020/JVNDB-2020-005056.html
  • Icarusライセンスマネージャー1.1.34(Understand 6.0用)に、Windows/Linux環境のUnderstand 5.1/6.0/6.3クライアントから接続し利用することは可能です。ただし、Understand 5.1/6.3クライアントからの利用は正式サポート対象外となります。また、Icarus 1.1.34は上記の脆弱性に対応しておりません。

Understand 5.1を含む以前のバージョンをご利用の場合

Understand 6.3バージョンアップモジュールのご利用には、Understand 6.0以降で対応した新しいライセンスキーが必要です。

【ライセンス請求ならびに提供方法】
ユーザーサポートページより、「Understand 6.3セットアップマニュアル」および、「Understandライセンスセットアップマニュアル(ライセンスポータルフローティングライセンス)」または、「Understandライセンスセットアップマニュアル(Icarusフローティングライセンス)」を入手いただき、「初回セットアップする」の項を参照の上、ライセンスの請求をお願いします。

【オフライン環境での利用】
ライセンスポータルサイトのご利用は、インターネット接続が必要です。インターネットに接続できないプライベートネットワーク環境や、プロキシサーバーなどによりライセンスポータルに接続することができない環境の場合には、Icarusフローティングへ移行してください。
ライセンスポータルフローティングとの違いについては、「Understand 6.3フローティングライセンス資料」に詳しく記載しております。

【下位バージョンのライセンスとの互換性】
Understand 6よりライセンス管理の仕組みが変更されました。バージョン6以降に移行した場合、Understand 5.1以前のバージョンを含む複数バージョンの混在利用はできません。Understand 5.1以前のバージョンを継続利用する場合は、Understand 6以降にバージョンアップいただけません。

ノードロックライセンス・シングルユーザーライセンス

Understand 5.1/6.0を利用中の場合

SciTools社が管理するライセンスポータルサイトに、Webブラウザーでアクセスしていただき、ライセンスのチェックイン/チェックアウトの操作を実施いただく必要がございます。
ユーザーサポートページより、「Understand 6.3セットアップマニュアル」および、「Understandライセンスセットアップマニュアル(ノードロックライセンス)」または、「Understandライセンスセットアップマニュアル(シングルユーザーライセンス)」を入手いただき、「Understand 6.3へバージョンアップする」の項をご確認ください。

Understand 4.0を含む以前のバージョンをご利用の場合

Understand 6.3バージョンアップモジュールのご利用には、Understand 5.1以降で対応した新しいライセンスキーが必要です。

【ライセンス請求ならびに提供方法】
ユーザーサポートページより、「Understand 6.3セットアップマニュアル」および、「Understandライセンスセットアップマニュアル(ノードロックライセンス)」または、「Understandライセンスセットアップマニュアル(シングルユーザーライセンス)」を入手いただき、「初回セットアップする」の項を参照の上、ライセンスの請求をお願いします。

【下位バージョンおよびライセンスキーの互換性】
Understand 5.1(Build 1022)以降、同一マシンに複数のバージョン(ビルド番号)を利用することはできなくなりました。既存のUnderstand 5.1/6.0バージョンはアンインストールする、あるいは、Understand 6.3を上書きインストールしてください。新しいライセンスキーは、バージョン5より前のバージョンには対応しておりません。バージョン4に適用しているライセンスファイルは、使用するマシンを変更しない限りは、そのままご使用いただけます。使用するマシンを変更する場合、バージョン4のライセンスファイルをご提供できない可能性もございます。あらかじめご了承いただけますようお願いします。

※ユーザー登録情報を変更する場合は、ライセンスを請求する際に変更内容をお知らせください。

LattixとUnderstandを連携している場合

Understand 6.3で生成されたファイルをLattixに取り込むには、Lattix 2022.1.1のバージョンが必要です。
Lattixのユーザーページより、最新日本語版の Lattix 2022.1.1バージョンをダウンロードし、インストールをお願いします。お持ちのLattix 2022のライセンスは、そのままご利用いただけます。

Lattix ユーザーサポートページ>>
https://www.techmatrix.co.jp/secure/quality/lattix/support/

  • ダウンロードには、納品ドキュメントに記載されている『ユーザー名』と『パスワード』が必要です。
  • 詳細は、「Lattix モジュールガイド」をダウンロードし、「C/C++(Understand) – セットアップ」の項を参照ください。

Understand 6.3 のプレスリリース もご覧ください。
バージョンアップ版では、さまざまな機能が改善されています。
ぜひご利用ください。

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