前回、依存関係グラフによるモジュール、ファイル単位での相関関係の可視化方法について紹介しました。ご紹介したように、依存関係グラフを使うことによって「アーキテクチャ」という観点での分析を行うことも可能となります。
とはいえ、システムが大規模になった場合、もしくは内部構造が複雑な場合には、依存関係グラフをもってしても全体構造を把握することは困難となります。
このように、巨大化、複雑化したシステムのアーキテクチャの分析を行う際には、情報をマトリックスに置き換えることによって、より効果的な分析が可能となります。
[マトリックスによる分析のメリット]
- 大規模で複雑な構造の俯瞰が可能
- 構造上の問題点(循環依存やレイヤー構造を乱す依存関係など)の発見
- アーキテクチャと実装の乖離の発見
- 変更による影響の範囲をすばやく特定可能 etc.
このマトリックスを使った可視化・分析手法はDSM(Dependency Structure Matrix、またはDesign Structure Matrix)と呼ばれており、ソフトウェアのアーキテクチャ分析以外にも、製造業のプロセス分析やハードウェア設計の分析など、幅広い分野で活用されている手法です。BoeingやBMWなど、技術革新の先端を行く国内外の多くの企業において、この分析手法が採用されています。
依存関係情報をDSMに変換するには:
Understandの解析データ(UDB)を、「Lattix」というツールにインポートします。
Lattixはこちらより、無償の体験版をご試用いただけます。
Lattix体験版(テクマトリックス社ウェブサイト)